片麻痺 手はまず何をしなければいけないか?

2018年07月10日

顔の前に手を持ってこれますか?

目標とする手のイメージがあると思います。こうなりたい。家事したい。ピアノ弾きたい。ゴルフしたい。

でも、きちんと考えると先に獲得しておかなければならない動作があるのです。


身体の成長過程を考えていくと、まずできた方が良い動作が分かってきます。これは神経路の再構築という面からみても、一考する価値はあるはずです。

あかちゃんは、必ず口に手をもっていく

あかちゃんは仰向けで寝ています。そして、生まれて初めて重力に逆らって動かすのは腕であり、肘と肩関節の内旋、外旋です。生まれた瞬間から曲がっていますし、最も力の入る上腕の位置で曲げることにより、目いっぱい泣くことができます。

泣くときも、口寂しいときも、必ず顔に手を近づけています。両手を脇に下ろしたまま泣く子はいませんよね。

泣きながら重力に対抗して腕を動かしているのです。

もっといってしまえば、上腕もベッドから浮いていることもあり、肩関節、主に三角筋前部繊維も重力に早くから勝っていることになります。

さらに上腕の内旋、外旋もできなければコントロールができず、口に手を持っていくことはできないので、外旋筋内旋筋も早くから働ていることが分かります。

人間は、腕から重力に対抗し始めているのです。


片麻痺の場合、寝た姿勢での前ならえの姿勢を取ることができないという方がたくさんいます。これがいわば重力に勝てているのかそうでないのかがわかる指標となるのです。

共同運動が入っているからできないんだよ。

確かに共同運動では、外転方向にしか動かないので前ならえは無理、という声があるかもしれませんが、共同運動に三角筋前部繊維が負けているとも言えるのではないでしょうか?


まとめると、仰向けで口に手を持っていくためには、

  • 肘を曲げる伸ばす
  • 腕を外側内側にひねる
  • 肩の前の筋肉の随意性を高める

この3つができるようにならなければならないということです。

上2つは以外とすぐできるようになるようです。もちろんうまくいかない人もいます。

問題は肩の前の筋肉です。

促通が難しいのです。一番やりやすい方法をご紹介します。


  1. 仰向けに寝ます
  2. 健側で麻痺手の「手首」を持ってオデコの前まで上げます。
  3. 麻痺手をゆっくり下ろします(健側手はあくまで補助です)

  

挙げたときに肘が曲がってしまう場合には、手のひらを足の方向に向けてあげます。しばらく待つと肘が曲がらなくなると思いますので、そしたらそっと下ろし始めます。

以上を繰り返していきます。肩に痛みがある場合には、すぐに中止してください。

三角筋の前側に働いてもらうイメージで行います。回数はごく少ない回数から始め、肩の痛みの有無を確認しながら少しづつ増やしていきます。


赤ちゃんからやり直すといったら大げさですが、順序立てて考えるとそう言えなくもないですね。


でも麻痺になるとあかちゃんの時に出ていた反射が出てくるのです…。